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​循環器科　　　　　　　　　　　　　　　　　      

心臓病について

現在では、10歳以上のわんちゃんの約30%が心臓病をもつと言われており、心臓の病気は、人と同様「がん」に次ぐわんちゃん・ねこちゃんの死因の上位にランクされています。

多くの心臓病は、厳密に管理していても残念ながら徐々に進行していってしまう病気ですが、早期に発見することでその進行を遅らせたり、症状を和らげてあげることでＱＯＬ（生活の質）を維持した生活を送ることが出来ます。
わんちゃん・ねこちゃんの心臓病は、下記に示すように様々な病気があり、それぞれ治療方法や経過が異なります。そのため、しっかりと心臓の検査を実施し、その子に合った治療法を選択することが重要となります。

​※心臓の音を聞くだけでは心臓病の診断は出来ません。

  • お散歩をするとすぐ疲れてしまい、歩きたがらない

  • 興奮したり、走ると咳をする

  • 寝ているなど落ち着いている時の呼吸が以前よりも浅く速い

  • 突然意識を失ってしまう

  • 舌の色が紫色や白くになってしまう時がある

  • 体がむくんでいる

心臓病の子によく認められる症状

検査の流れ

 身体検査　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

・心臓の音に異常な音がないか？（心雑音）

・心臓の拍動リズムに乱れはないか？（不整脈）

・脈拍は正常に触れるか？（脈圧）

・肺など呼吸音に異常な音がないか？

・粘膜の色は正常か？

​　など、診察室内で聴診や触診・視診にて行います。

 レントゲン検査　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

・心臓の形＆大きさ（心拡大・心奇形）

・肺（肺水腫など）

・気管＆気管支（変位・変形の有無）

　などを実際にレントゲンを撮影して診ます。

　ここで重要となるのは、心臓のポンプ機能が低下することで

　起こる肺水腫の兆候があるのかです。

 超音波検査　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

心臓超音波検査は、心臓の動きをリアルタイムに診ることが出来るため、心臓の機能や血流を調べることが出来ます。その為心臓病の診断において最も重要な検査です。

​

・心臓の形／心臓内の各構造（奇形や変性の有無）

・心臓の収縮力

・心臓内の血液の流れ（逆流の有無やそのスピード）

・心臓の筋肉の厚み／欠損の有無

​などを約10分程度のお時間で検査します。

この検査で新規の検査であれば、心臓病の重症度を、継続の検査であれば、進行の程度を評価することが出来ます。

 血圧検査　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

心臓からの血液の拍出の状態と血管の状態を調べます。また、心臓病のお薬は心臓の負担を減らすために血管を拡張させ、血圧を下げるものを使用することもあります。お薬の効果を調べるためにも有効です。

 心電図検査　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

心臓のリズムの検査です。不整脈の種類を調べます。

​日ごろの不整脈を発見するためのホルター心電図という装着型の心電図計もわんちゃんで使用することがあります。

 血液生化学検査＆血液マーカー検査　　　　　　　　　　　　　　　　

特にねこちゃんにおいて、甲状腺や腎臓の病気などが直接心臓の動きに影響を及ぼしたり、血管に影響を及ぼして心臓に負担をかけることがあります。そのため、心臓病の治療は心臓だけをケアすればいいものでもありません。

最近では、心臓病のマーカーを測定することで心臓病の程度や治療効果の判定も出来るようになってきました。

治療方針のご相談 ⇒ 治療スタート

当院では、心臓病の治療に際してアメリカ獣医内科学学会(ACVIM)ガイドラインに沿った診断と治療のプランをご家族とご相談しながら決定し、経過を診ていきます。

 内科療法　　　　  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

一部の心臓病を除き、現在はほとんどの心臓病の治療は内科治療が基本となっております。

心臓のお薬は始めると基本的に辞める事が出来ませんので、検査結果と症状によっては、お薬を処方せずに経過観察をお願いすることもあります。そのため必ず治療にあたっては、上記検査結果と日常での症状をお聞きした上でお薬の処方と食事管理の指導を行います。

​処方の際には、副作用についても十分時間をかけてご説明致しますので、何か変化があった際はすぐにご相談ください。

 外科療法（心臓手術）　　　  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

当院では、先天性の心臓病や、重度慢性弁膜症のわんちゃんなど

人工心肺装置や血管カテーテル手術が適応となるわんちゃん・ねこちゃんに対して、

​十分な技術・知識・経験を兼ね備えた信頼できる二次診療施設をご紹介させていただいております。ご希望の方やお話を聞いてみたいと思われる方はスタッフまでお声掛けください。

代表的な循環器疾患・実際の症例報告

​・僧帽弁閉鎖不全症（後天性弁膜症）
​・肥大型心筋症
​・動脈管開存症
​・弁狭窄症
​・心房/心室中隔欠損症
​・心タンポナーデ
​・乳び胸/膿胸
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